やるべきことを、やる

 間もなく新年度が始まります。
 学校や会社でも、新人が入ってきたり所属が変わったりして、気持ちも新たに頑張ろうと思える時期ですね。

 というわけで、今回はたびたびご紹介している、愛する我が母校でのお話をまた少し。


 自身も遠い昔(笑)に所属していた高校サッカー部を指導させて頂くようになって、早4年。以前も書きましたが、教員や保護者の方々、そして学生たち自身の姿から、指導に赴くたびに逆に沢山のことを教わっています。


 そんななか、最近のマイブーム(?)となっているのがタイトルの一言です。
 これは顧問の先生が部員たちにいつも伝えていることであり、私自身も話を聞くたびに、

「ああ、そうだよな」
「自分も気をつけなければ」


と、身が引き締まる想いになります。


 やるべきことを、やる。


 学生ならば、部活以前に本分たる学業を決しておろそかにしないこと。もっと言えば、挨拶をすること、人の話をしっかり聞くこと、礼儀をわきまえること等々も当てはまります。そういう当然のことができた上ではじめて、「スポーツも頑張っています」と言えるのだということです。


 先生は、こうも仰っていました。


「やるべきことをやらない人間が、味方に指示を出したり、アドバイスをしても説得力があるわけないだろう? 時間がないなかでも、疲れているなかでも一人の人間として頑張っているやつだからこそ、周りは聞く耳を持つし、仲間だと認めてくれるんだ。そしてそういう選手のところにこそ、ボールが転がってきたり、チャンスが訪れたりするんだ。スポーツって、絶対にそういうところがあるんだ」


 そうだよなあ、と、心の底から感じます。


 やるべきことを、やる。


 私たち社会人は学生でも、十代の若者でもありません。でも、この考え方は何にでも通じるはずです。


 お金の支払いをおろそかにしないこと。仕事のメールにできるだけ早く返信すること。TPOをわきまえた服装で行動すること。言葉遣いに気をつけること。周囲に迷惑をかけないこと。感謝の一言を素直に伝えること、etc……。


 すべて、人として「やるべきこと」のはずです。


 もちろん人間ですから、100%完璧に、というのは難しいでしょう。どこかでミスや、やり忘れが出ることもあるでしょう。それでも、「やるべきことを、やる」状態を目指して動いている人の姿は、気持ちは、きっと周囲に伝わると思うのです。そしてそういう人のところにこそ、仕事が舞い込んだり、仲間が手を差し伸べたりしてくれるのです。


 いい年こいて(?)、こうして高校生とともに汗をかき、何かを学ぶ一年がまた始まります。
 
今年度も引き続き、どうぞ宜しくお願いいたします。