チームプレイヤーでいよう

 お久しぶりです。

 おそらくは過去最長のコラム未更新期間となってしまいましたが、お陰様で変わらず元気に細々と(?)活動中です。
 余談ながら、フェイスブックをはじめとするSNSとは最近ますます距離を置いていますが、私の場合は仕事にまるで差し支えがないばかりか、むしろご依頼が増えたり、さらにはこうした執筆業務やデスクワークがはかどることを改めて感じています。やはり「リア充」ツールには縁がないということでしょうか……(笑)。

 それはさておき。
 今回はそうしたネット上の関係ではなく生身の人間同士の話題、結論から言ってしまえば、トレーニング指導者も「チームプレイヤー」でいることを忘れないようにしましょう、という話です。

 このことは競技選手、それも団体競技を専門に指導されている方にとっては言わずもがなですし、もちろん私以上にご理解されていることとも思います。
 主役である選手がいて、彼ら・彼女らをサポートする存在としてトレーニングや傷害対応、栄養指導、スキルや戦術、エキップメント、マネージメント、広報等々の様々なスペシャリストがいる競技スポーツの世界(もちろんチームの規模や予算によって差異はありますが)。表舞台に立つ選手とこれら裏方のスタッフたちが、文字通り一つの「チーム」とならなければ、よりよいパフォーマンスや素晴らしいゲームは成り立ちません。

 ただ、フィットネス指導の現場においても、これは忘れてはいけないことなのです。  

 先日もトレーニングマシン運用研修の講師として、新規オープン予定のフィットネスクラブさんにお邪魔しましたが、そこでは私以外の専門家の方々もまた、一所懸命に現場=会員さんたちのことを考え、支えていらっしゃいました。
 限られたご予算やスペースの中で少しでもいいものを購入しようと頭を悩ませ、その結論として、当該マシンの導入を決断して下さった支配人さんやチーフトレーナーさん。彼らに自社マシンの良さを伝え、やはり少しでもいいジムが出来るように、少しでも会員さんが楽しくトレーニング出来るように、と足繁く通ってご提案・ご相談に乗ってきたメーカーの営業担当さん。さらにはそのマシンを製造するデザイナーさんや工場の人々。そうした背景を全て踏まえた上で、「このクラブのマシン研修は伊藤さんに頼もう」と信頼してご指名して下さるマネージメント担当さんetc,etc...。

 選手と会員さんという主役の違いはあれど、沢山の専門家がそうした表舞台を支え、また他のスペシャリストの協力があってはじめて我々トレーニング指導員の出番が用意してもらえるという点では、競技スポーツも一般フィットネスもなんら変わりはありません。
 そして私たちの側もまた、営業さんが「トレーニング指導のスペシャリストも派遣できますのでご安心下さい!」と心強くご提案出来たり、支配人さんが「何かあれば、また伊藤さんに聞いてみよう」と思って下さることが出来るように、他の専門家を支える存在であらねばと思うのです。

 毎度ながらの結論ですが、エクササイズ実技が上手いだけ、スポーツ医科学の知識があるだけの指導者は、現場ではまるで役に立ちません(それすらないのも問題外ですが……)。
 自分達が単なる「バーベルの担ぎ屋」に過ぎないこと、それでも、その専門知識や技術を必要とする方々がいて下さること、そして何より、そうした人々への感謝の気持ち。  

「このマシン、こちらの支配人さんが会社を説得までしてご導入下さったんですよ」
などと笑い合う営業さんやクラブの方々にお会いする度、それらのことを強く思い出させてもらっています。