【トレーニング格言シリーズ④】ジャンプは、着地から
今回のコラムは、久しぶりのトレーニング格言シリーズです。格言は、こちら。
『ジャンプは、着地から』
同様の意味を持つ言葉として、「降りられないなら跳ぶな」、「止まれないなら走るな」などもありますが、いずれにせよきちんとした教育を受けたことのあるトレーニング指導員、トレーナーさんならば聞いたことがあることと思います。
その意味は、読んで字の如し。
ジャンプやダッシュ、ランニング、方向転換(つまりスポーツやフィットネスにおけるほとんどの動き)は、しっかりした着地やブレーキングができるだけの正確な動作、筋力、柔軟性などがあってこそ初めて安全に取り組めるし効果的ですよ、ということです。
具体的には、正しいスクワットのフォームをもとにパワーポジションやアスレティックポジションと呼ばれる基本姿勢がしっかり取れること、下肢が膝を内側に捻ってしまうニーイン・トゥーアウトと呼ばれる姿勢にならないこと(特に女性!)、最低でも自分の体重をそうしたヒトとしての理に適った姿勢で受け止め、支えられることなどです。
ジャンプや全力スプリントといった動作を伴うトレーニングが高強度・高難度とされるのはそのためであり、クリアすべきハードルが本当はたくさんあるのです。逆に言えば、我々指導員はそれを常にチェックしなければなりません。ただ単にがむしゃらに跳んで、走って「それっぽい」トレーニングを処方するだけではいけないのです。
……と、ここまではトレーニングの各論的なハナシ。
じつはこの『ジャンプは着地から』、各論に限らずトレーニング指導における総論、ひいては社会人としての立ち姿のような部分にも当てはまる言葉なのではないかとも思っています。
身の丈に合った仕事を地道に継続していきながら、地力がついたら勇気を持ってジャンプアップしてみること。
方向転換や変化を図る際も、それまでのことをしっかりと受け止め、次に進む際の推進力を得ること。
派手な動きの裏側にも必ず地味な、でも確固とした土台や拠り所を持っていること。
これらはジムやフィールドの中だけでなく、人や仕事との関わりといった中でも大切であることは言うまでもありません。そして、この言葉を大事にされている指導員の方々ほど、指導現場から自身の立ち姿まで相通じる、こうした芯の通った姿勢を持っているように感じるのです。
私自身も、競技スポーツの現場以上にタレント性やホスピタリティを求められるフィットネスの現場では、だからこそ、この『ジャンプは着地から』の精神を忘れないよう気をつけている次第です(と言いつつも、毎度毎度ただの「トレーニング好きなおもろいオッサン」と化して調子に乗ってしまい、反省ばかりしていますが……:苦笑)。
いずれにせよ、年末年始も『ジャンプは、着地から』の精神を大切に活動していく所存です。
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